コーデック (Codec) は、符号化方式を使ってデータのエンコード(符号化)とデコード(復号)を双方向にできる装置やソフトウェア、アルゴリズム[要出典]などのこと。
コーデックには、データ圧縮機能を使ってデータを圧縮・伸張するソフトウェアや、音声や動画などのデータを別の形式に変換する装置およびソフトウェアが含まれる。
語源
コーデックはもともとデータをデジタル通信回線で送受信するための装置を意味する、電気通信分野の用語であった。語源は、coder/decoderの略語である。なお、電気信号をアナログ通信回線で送受信するための装置は、似た語源(modulator demodulator)をもつモデムである。
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さまざまなコーデック
現在では、デジタル機器やパーソナルコンピュータ (PC) などの発達で、コーデックというとデジタル信号間やデジタルデータ間の変換を行うものを指すことが多い。古くは、例えば、音声コーデック、オーディオコーデックと呼ぶ場合、デジタル信号とアナログ信号を変換するDAコンバータ、ADコンバータのことを指していた。
1980年代に、デジタル画像を圧縮してモデムを介してアナログ回線で通信を行う技術や、デジタル回線を用いて音声や画像などの通信を行う技術が本格的に実用化され、これらの処理を行う集積回路 (IC) が登場した。音声の符号化・復号に用いるICを音声コーデック、画像の圧縮・伸張を行うICを画像コーデックと呼ぶようになった。前者には例えば、ISDNの音声通信に用いるG.711コーデック、後者にはG3、G4ファクシミリの画像圧縮・伸張に用いるコーデックなどがある。
1990年代に入ると、PCの周辺ハードウェアで映像の圧縮・伸張を行えるコーデックも登場した。その後、コンピュータの急速な進歩で画像や音声などの圧縮・伸張をソフト的に行えるようになり、ソフトウェアのみで処理を行うソフトコーデックも登場した。現在ではコーデックというとデジタル信号のデータ圧縮・伸張を行う装置及びソフトウェアを指すことが多い。
ただし、データ圧縮・伸張を行うコーデックは、コーデックの一群の中の一カテゴリーに相当し、狭い意味でのコーデックを指している。通常、コーデックという言葉はあまり用いられないが、より広い意味では以下のようなものもコーデックである。
電子メールで用いられるMIMEエンコード・デコードの処理を行うもの
URLの文字列を%xxのような文字列に符号化(URLエンコード)、逆に復号(URLデコード)するもの
圧縮を伴わない画像データフォーマット間の相互変換(例えば、BMP⇔TIFF⇔PICTなど)を行うもの
データの暗号化や暗号化されたデータの復号を行うもの
データ圧縮のコーデックには、元のデータに完全に復元できる可逆圧縮(Losslessとも呼ばれる)を用いるものと、圧縮の段階で元のデータには復元できない処理を施す代わりに高い圧縮を行う非可逆圧縮(Lossyとも呼ばれる)を用いるものがある。前者は、完全に復元されることが必須のドキュメントファイルや一部の画像・音声ファイルで用いられる。後者は、可逆圧縮ではデータサイズが相対的に大きくなりやすい画像、音声、動画の高能率圧縮に用いられる。→ データ圧縮を参照。
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データ圧縮・伸張を行うコーデック
例えば、Microsoft Windowsの標準形式には、音声はPCM、画像はBMPなど無圧縮(非圧縮)の状態のファイル・データが存在する。システムによって頻繁に利用される短い、短い音声や動画、小さい画像などを扱うには無圧縮で扱うのが適している場合もあるが、大きなサイズの映像や音声を無圧縮のまま扱おうとすると大容量のメモリやハードディスク等が必要になったり、通信回線に広い帯域を必要とする。それを避けるためにファイルを圧縮し、サイズを抑えることが必要になる。その際に必要なのがデータ圧縮・伸張用のコーデックである。
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画像圧縮のコーデック
ERINA
GIF - 256色までの可逆圧縮
JPEG - 非可逆圧縮
JPEG 2000 - 指定により非可逆圧縮、可逆圧縮の選択が可能
PNG - 最大48bit(各色16bit)フルカラー(約280兆色)までの可逆圧縮、8bit(256段階)のアルファチャンネル(透明化)が可能
二値画像の可逆圧縮 : ファクシミリなどで用いられる。
MH(modified huffman) - 連長圧縮
MR(modified READ:relative element address designate) - 二次元符号化
MMR(Modified Modified READ) - ITU-T T.6
JBIG(Joint Bi-lebel Image experts Group) - Arithmetic Coding
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音声圧縮のコーデック
音声圧縮のコーデックには、人間の発声を主な対象とした音声帯域向けのコーデックと、それに限定せず音楽なども対象としたコーデックとがある。前者は人の発声の特性を利用しているため、後者よりも低い符号化レートで音声の符号化が可能である。
音声帯域向けのコーデックの代表的なものでは、ITU-Gシリーズ勧告の各種コーデック(下記)が携帯電話やIP電話などで広く利用されており、音声を4~13kbps程度に圧縮している。 音楽も対象としたコーデックの代表的なものでは、1990年代前半に登場したミニディスク (MD) に用いられているATRACや、1990年代末頃からPCオーディオで広く浸透しはじめたMP3がある。例えば、128kbpsのステレオ音声の圧縮オーディオではコンパクトディスク (CD) に比べて1/10以下に圧縮されている。これらは、元の音声には完全には復元できない非可逆圧縮方式を用いている。
一方で、近年、記録メディアの容量が飛躍的に増加したことで、データサイズは大きくなるものの、まったく劣化を生じさせない可逆圧縮を用いたコーデックも増えてきている。こちらはおおむね6割から7割程度の圧縮が行える。
圧縮しないコーデック
LPCM - CD、DVDなどに採用されるコーデック
ADPCM - ドリームキャストなどに使用されたコーデック
AIFF - MacintoshやSGIに採用されたコーデック。圧縮も可能。
可逆圧縮・非可逆圧縮が選択できるコーデック
WMA - Windows Media Playerに搭載されているコーデック
Dolby Digital Plus - ドルビーデジタルプラス(DD+)
非可逆圧縮のコーデック
AC-3 - ドルビーデジタル
AMR
ATRAC - ミニディスク(MD)で採用されているコーデック
ATRAC2
ATRAC3 - MDLPで採用されているコーデック
ATRAC3plus - Hi-MDやUMDで採用されているコーデック
DivX Audio - WMAのハック版
DSP Group TrueSpeech?
DTS
Indeo Audio
ITU-Gシリーズ勧告により国際規格化されたコーデック
G.723
G.726
G.729
MIO - 純日本製音声圧縮形式
MPEGオーディオ用コーデック
AAC - iPodや着うた、ヨーロッパのDVD、またBSデジタル放送と地上波デジタル放送等で使用されているコーデック
HE-AAC - 着うたフル等で使われているコーデック
MP1
MP2 - 多くのMPEG1が使用しているコーデック
MP3 - オーディオ機器など幅広く使用されているコーデック
Mp3PRO
Musepack (MPC)
Vorbis - パテントフリーでオープンソース開発のコーデック
QDesign Music
Real Audio
Speex
TwinVQ
SoundVQ - YAMAHAの開発したコーデック
XVD Audio
可逆圧縮のコーデック
AAL (ATRAC Advanced Lossless) - 非可逆圧縮部分を内包し、用途に応じて取り出して利用する。
ALAC (Apple Lossless Audio Codec、Appleロスレス) - iTunesやQuickTime?などに搭載されているコーデック
MLP または Packed PCM - Dolby Digitalの派生。DVD-AudioやDolby Digital Plusに採用されている。
MPEG-4 ALS (MPEG-4 Audio Lossless) - 国際標準規格
DTS-HD - Blu-ray Disc・HD DVD向けのコーデック
FLAC (Free Lossless Audio Codec)
Monkey's Audio - フリーソフトながら、高い圧縮と平易な操作を実現
TTA (The True Audio)
WavPack? - 可逆モード、非可逆モード、そしてユニークなハイブリッドモードを備えている。
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動画圧縮のコーデック
動画では大容量のデータを扱うため、高能率の非可逆圧縮が必須となっている。代表的なものではDVDに用いられるMPEG2がある。
Cinepak
Dirac - 英国放送協会 (BBC) の研究開発部門が開発したコーデック
DV CODEC
ITU-T勧告のHシリーズにより国際規格化されたコーデック
H.261 - ISDNTV会議システム用コーデック
H.263 - 電話用モデムを想定したH.261よりも高い圧縮のコーデック
H.263+ - H.263を改良したコーデック
H.264 (MPEG-4 AVC) - H.263をより高い圧縮率のために改良したコーデック。MPEG-4 AVCと同じ。
Indeo Video
MEI - 動画ERI
Microsoft Video 1
Motion JPEG
Motion JPEG 2000
MPEGにより標準化されたコーデック
MPEG-1 - VideoCDなどで使用されるコーデック
MPEG-2 - DVD、地上デジタル放送で採用されているコーデック
MPEG-4 - 携帯コンテンツ等で使用されるコーデック
MPEG-4 AVC (H.264) - MPEG-4と呼ばれているが、中身はH.264と同じであり、呼称が異なるだけである。
MPEG-4より派生したコーデック
MS-MPEG4 (Microsoft MPEG-4 Video Codec) - MPEGとは無関係だがMPEG-4と互換有り
DivX
XviD - オープンソースのMPEG-4準拠コーデック
RMP4 (REALmagic MPEG-4 Video Codec) - 米Sigma Designs社が開発したコーデック。XviDのソースコード流用が発覚した。
On2が開発したコーデック(TrueMotion?)
On2VP3
TrueMotion? VP4
TrueMotion? VP6 - Macromedia Flashで採用されているコーデック。
TrueMotion? VP7 - VP6よりも高画質・高圧縮のコーデック
Real Video
Rududu - ウェーブレット技術を使ったコーデック
SNOW - ffdshowによってサポートされるコーデック
Sorenson Video
Theora
WMV9 (VC-1)
XVD
XviD
ZyGoVideo?
可逆圧縮のコーデック
AVImszh
AVIzlib - 3DCG動画制作用途などに使用されているコーデック
CorePNG
Huffyuv - テレビ番組の高画質記録などに使われているコーデック
LocoCodec
MSU Lossless Video Codec
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関連項目
データ圧縮
モデム