ニンテンドーDS(ニンテンドーディーエス、Nintendo DS)は任天堂が開発し販売している携帯型ゲーム機であり、2画面やタッチパネル、マイクによる音声入力などのユーザーインターフェースを特徴としている。
アメリカで2004年11月21日に、日本では12月2日に発売された。 豪州では2005年2月24日に、ヨーロッパでは3月11日に、中国ではiQue DSという名称で7月23日に発売されている。 主な略称:「DS」 「NDS」
さらに上位機種としてニンテンドーDS Liteが発売されている。
概要
"DS"とは"Double Screen"の略であり(任天堂幹部の発言によると、Dual Screen、Developer Systemの意味もあるとされている)、折りたたみ式の本体の両側に2つの液晶画面を持っているという意味である。 外見はかつての同社のゲーム機『ゲーム&ウオッチ マルチスクリーン』を彷彿とさせるものとなっている。 下側の液晶画面はタッチスクリーンになっているほか、ゲームボーイアドバンス(GBA)と同様の十字/A/B/L/R/SELECT/STARTボタンの他にマイクやXYボタンが追加されるなど、インターフェイス面で数多くの特徴を持つ。
また、DS用ソフトとGBA用ソフトを連動させる事によって効果のあるタイトルも存在する。 例えば、GBA用ソフトが挿入されていることを認識して、DS用ソフト内のROMに記憶された特定のデータが使用できたり、DSソフトとGBAソフトとの間でデータのやりとりをすることができる。
さらに、GBAソフトではないが、GBAスロットに挿入する専用の周辺機器も存在する。例えば『大合奏!バンドブラザーズ』専用の、曲データを追加できるカートリッジがオンライン限定で販売された。その他は下記を参照。
ニンテンドーDSとゲームボーイアドバンスのスロット比較。DSの方には突起がある
ニンテンドーDSを閉じた状態(ヘッドホン2つ装着)サブCPUにゲームボーイアドバンスのCPUにも使われているARM7TDMIを搭載することで、ゲームボーイアドバンス向けソフトとの互換性を実現しているものの、ニンテンドーDSはそれまでの歴代ゲームボーイシリーズにあったZ80系のプロセッサを持たず、ゲームボーイカラーまでのソフトには対応していない。 そのため、GBA用カートリッジスロットの内部に突起を持ち、ゲームボーイカラー以前のカートリッジがスロットに入らないようになっている。
また、ゲームボーイアドバンスにあった通信コネクタも持っておらず、ゲームボーイアドバンス用ソフトをプレイする際は通信機能を使うことができない。 同様に、ゲームボーイアドバンス用周辺機器も基本的には使用できない。ライセンシー商品では充電端子に接続するゲームボーイアドバンスSP用のACアダプタとヘッドホン変換プラグ(Liteではプラグの形状が異なるためこの2つも使用不可能となっている)、そしてGBAスロットに挿入する『PLAY-YAN micro』や『プレイやん』、『カードeリーダー(旧型)』(DS・DS Lite問わず)のみが使用可能。DS(DS Lite)本体には通常のヘッドホン端子があるので、DSではACアダプタ用の端子にGBA-SP用変換プラグを経由して接続したヘッドホンと併用することも可能(DS Liteは不可)。説明書でも本体にヘッドホンのプラグが上手くささらない場合はGBA-SP用変換プラグを使用するように記載されている。
特徴
ニンテンドーDSには次のような機能がある。
ダブルスクリーン
ニンテンドーDSにはバックライト付きの26万色表示可能な3インチ液晶画面が2つついており、今までのゲームで画面やモードを切り替えないと見ることができなかった情報を別の画面に表示できるなど、様々なことが可能となる。
タッチスクリーン
ニンテンドーDSの最大の特徴。下の画面に抵抗膜方式透明アナログタッチスクリーン(タッチパネル)機能がついており、付属のタッチペンやタッチストラップ、自分の指といった方法で画面に直接触れることによりゲームをプレイすることができる。また、タッチスクリーン自体にTSC2046という温度センサーを内蔵しているが、ゲーム内容に利用されることはない。
ネットワーク通信
IEEE 802.11 (無印)対応の無線LANが内蔵されており、市販の無線LANアクセスポイントやニンテンドーWi-Fi USBコネクタを使用して、任天堂のニンテンドーWi-Fiコネクションが利用可能である。ただし、暗号化システムはWEPまでしか対応しておらず、AirSnort等により不正アクセスされる危険性がある。
ワイヤレス通信
DS本体に内蔵されている任天堂独自の無線通信機能により、通信ケーブルやワイヤレスアタプタなどの周辺機器を使わずに多人数の通信プレイが可能である。ソフトによっては、ゲームボーイアドバンスと同様に、カートリッジが1つしかなくても遊ぶことが可能。
最高で通信可能な人数はソフトによって異なり、中でも『大合奏!バンドブラザーズ』は人数分の本体とソフトがあれば参加可能な人数は無制限となっている。対戦プレイの他、ピクトチャットという内蔵チャットでの通信も可能。
また、すれちがい通信という通信機能も持っている。
音声認識
ニンテンドーDS本体に内蔵されたマイクによって、声などの音声をゲームに反映させることも可能である。メトロイドプライムハンターズでは、Wi-Fi対戦の前後で、9月に発売されるポケットモンスター(ダイアモンド・パール)では対戦や交換時にボイスチャットが可能。現在任天堂はDSで電話ができるソフトを開発中である。
ダブルスロット
上にもある通り、ニンテンドーDS専用ソフトとゲームボーイアドバンス専用ソフトの2つのスロットがあり、同時に使うことで2つを連動させたり、GBA用スロットに差し込んだカートリッジによる拡張が可能である。
DSでゲームボーイアドバンス用のソフトをプレイすることも可能で、上下どちらの画面に表示するかを選ぶことができる。ただし、ゲームボーイやゲームボーイカラー専用ソフトは遊べない。
なお、ゲームボーイアドバンス専用ソフトのスロットはゲームボーイアドバンスSP同様プレイヤーから見て本体手前側にあるため、『コロコロパズル ハッピィパネッチュ!』ではコマンドによりGBASP用の設定にしておく必要がある。
ちなみにニンテンドーDS Liteでは、本体の形を縮小させた為にGBA用スロットにカートリッジを差し込むと1cmほどカートリッジが外にはみ出る仕様になっている。そのため、「ニンテンドーDS振動カートリッジ」や「ニンテンドーDSブラウザー」はLiteのGBA用スロットのサイズに合わせた専用のものも発売中である。
仕様
CPU : ARM946E-S 67MHz(メイン) + ARM7TDMI 33MHz(サブ ゲームボーイアドバンス向けソフトとの互換にも用いられる)
メモリ : 4MB
VRAM : 656KB
画面 : 3インチ(対角)半透過反射型バックライト付きTFTカラー液晶ディスプレイ × 2枚
解像度 : 256×192、26万色表示
下画面に抵抗膜方式透明アナログタッチパネル付
ROM : メガチップス社製の独自規格フラッシュメモリ。1Gビット(128Mバイト)以上可能。
3D描画 : 120,000ポリゴン/秒
2D描画 : 30,000,000ドット/秒
入力 : 十字キー+6ボタン(A/B/X/Y/L/R)+START/SELECTボタン+タッチスクリーン+マイク(音声入力用)
Liteでは、START/SELECTボタンの位置がA/B/X/Yボタンの下側に変更されている。
通信機能 : IEEE802.11(Wi-Fi)対応および任天堂独自プロトコルに対応
無線通信による1カートリッジ対戦プレイ可能
内蔵ソフトピクトチャット使用で最大16台のDS間で文字や絵をワイヤレスでやり取りすることが可能
ワイヤレスLAN接続ポイントへ接続する事により、#ネットワーク通信も可能。
電源 : 内蔵リチウムイオンバッテリー(3.7V/850mAh)、付属ACアダプタ(初期型のDSはゲームボーイアドバンスSP付属のACアダプタも使用可能)、パワーマネジメント機能搭載(DS用ソフト使用時のみ)
Liteでは、電源ボタンが押しボタン式からスライド式に変更されている。
サウンド : ステレオスピーカー内蔵
ソフトによりバーチャルサラウンド可能
重量 : 約275g(DS Liteは約218g)
その他
開発コードは「Nitro」(ニトロ)。そのことから本体ならびに関連製品の品番には「NTR」が付けられている。当初「DS」はあくまで仮称とされていたが、後に正式名称となる。
一部ユーザーの間では「NDS」と略されることもあるが、任天堂が用いている名称は「ニンテンドーDS」ならびに「DS」である。
発売時のイメージキャラクターには宇多田ヒカル(Utada)を起用した。2005年春までCMやカタログなどのプロモーションに出演していた。
ルー・マイヤーズらは、4人でスカイダイビングをしながらワイヤレス対戦を行い、成功したと報告した。
2005年10月12日に、非商用ソフトが動作するように改造されたニンテンドーDSにおいて動作する、メモリエリアを書き換えて再起動できないようにしてしまうが発見された。このトロイの木馬は、PC経由でトロイを含んだROMイメージをフラッシュカートリッジに書き込んでDS上で実行した場合に起こるものであり、通常の利用方法を守れば影響を受けることはない。
任天堂のゲーム機は非常に頑丈なことで知られており、本機においても例外ではない。ニール・ミューラーはエベレスト山頂に持っていった電子機器のうち、3つのMP3プレイヤーとパソコン、CBラジオは壊れたが、ニンテンドーDSは壊れなかったと報告した。
2006年3月2日には、上位モデルのニンテンドーDS Liteが発売された。一回り小型軽量化が図られ、バックライトも4段階に輝度調整可能となった。性能や動作するソフトは従来のDSと変わらない。ゲームボーイアドバンスにおけるゲームボーイアドバンスSPのようなものだと解釈すればよいだろう。なお、エナメルネイビーとアイスブルーについては、製造時の塗装ミスにより発売が3月11日に延期された。
よく誤解されることだが、ニンテンドーDSはゲームボーイアドバンス(以下、アドバンス)の後継機、いわゆる「新型ゲームボーイ」ではなく、ニンテンドーゲームキューブ、アドバンスに次ぐ、任天堂の第3の柱として開発された。事実、DS発売後もMOTHER3など多くのソフトがアドバンスで発売されている。また、DSとは別にアドバンスの後継機(通称新型GB)が開発されているという噂もあった。
だが、最近はアドバンスの新作がほとんど発表されなくなり、またDSでもアドバンスのソフトがプレイできるので、アドバンス用ソフトを盛り上げるというコンセプトでDSの後に発売されたゲームボーイミクロも、売上不振となっている。また、2006年のE3では「アドバンスの後継機はしばらくない」との発表があった。
結果、DSの爆発的な普及に押される格好で、任天堂を含む多くのメーカーはアドバンスよりDSに注力している。そのため、DSは実質的にアドバンスの後継機のような格好になってしまったと言えよう。そのため、現在のゲームボーイアドバンス用ソフトのパッケージには、DSでも使用可能であることが書かれていたり、CMなど(特にリズム天国など)では、GBAだけでなくDSで遊んでいるシーンも入っていたりする。
売上関連
日本単独での売り上げは2005年4月中期までに200万台を突破するという順調な滑り出しをみせている。またアメリカでは発売後1ヶ月で100万台を出荷、2004年12月末時点で日米の累計は280万台となった。2005年度、日本における実販売数は432万台(エンターブレイン調査)となった。
2005年11月23日、「ニンテンドーWi-Fiコネクション」第一弾「おいでよ どうぶつの森」が発売。祝日だったこともあり、僅か二日で35万本を売り上げ、本体の売り上げも前週の6万台から16万台にまで押し上げることに成功した。その後「おいでよ どうぶつの森」は234万本売り上げ、2005年度ゲームソフト販売数トップとなった。2006年5月8日現在、出荷数は300万本を突破し、1994年のスーパードンキーコング以降、ドラゴンクエストシリーズ、ファイナルファンタジーシリーズ、ポケットモンスター以外のタイトルで久々の300万本越えを達成した。同年7月には実売で300万本を突破。前記の3シリーズ以外ではテトリス以来の実売300万本突破タイトルとなった。
2005年12月8日、第二弾「マリオカートDS」が発売され、こちらは平日にもかかわらず初日で16万を売り上げる大ヒットとなり、DSの売り上げをさらに週販約29万台まで押し上げることになった。
2005年12月末時点で、日本国内における販売台数は500万台、出荷台数は544万台を突破した(14ヶ月強のGBA、17ヶ月のPS2を抜いて史上最速の500万台突破)。また、全世界における販売台数は2005年末時点で実売ベース1300万台に達した。特に2005年末から2006年始にかけては、クリスマス、お年玉商戦の好調を反映して全国規模で品切れする店舗が続出し、12月の第4週と1月の第1週の間に100万台の売り上げを記録。これらは世界的に見ても驚異的なハイペースで、ゲーム機史上空前の大ヒットとなっている。
2006年2月のカンファレンスで、販売台数が600万台を突破し、ミリオンセラータイトルが7本になったと発表。また同時に、OperaやATOKを搭載したDS用Webブラウザソフト「ニンテンドーDSブラウザー(Nintendo DS Browser)」(2006年7月24日発売、オンライン販売のみ)とDS用ワンセグ受信チューナー「DS地上デジタル放送 受信カード(仮称)」(2006年秋予定)の発売を発表した。
DSLite発売に際しては前日深夜から行列に並ぶ人が出るなど客が殺到しニュースにもなり、DS自体の品不足が響き、数をそろえられない店や入荷自体が出来ない店、便乗値上げをして販売する店や大量に入手してオークションなどに出品し荒稼ぎする者などが続出した。この事態を見た任天堂はホームページに「3月分のDSの出荷量を20万台、DSLiteの出荷量を45万台、計65万台とする」という告知を行い顧客の品薄への理解を求め、さらに本体と同時購入が予想される「Touch! Generations」シリーズの一部を4月下旬まで延期して需要の分散をねらう処置を執った。4月中に出荷したDSLiteの台数は80万台、その後はさらに出荷台数を上げている。ただし、その出荷台数を持ってしても未だ日本国内の需要に追いついておらず、品薄傾向は続いている。なお、北米では6月に発売された。
DSLite発売後も、従来型のDSは並行して販売される予定となっていたが、慢性的な日本国内での品不足及び、北米・欧州などでもDSLiteの発売が始まったことも有り、生産ラインのほとんどはDSLiteにシフトしているため、従来のDSの出荷台数は大幅に減少している。
また、えいご漬けのようないわゆるお勉強ソフトは6~7月にかけての学生の試験期間に品薄となるゲームショップが続出している。
任天堂の予想を上回る勢いの販売数で、2006年6月時点で国内で900万台を突破。7月末、発売後20ヶ月で国内実売数1000万台を突破した(GBAの30ヶ月、PS2の32ヶ月を大幅に上回り、国内ゲーム機史上最短記録)。
2006年8月末には、2006年3月2日に発売されたニンテンドーDS Liteが、発売後26週で、2004年12月12日に発売されたPSPを実売数で上回った。
普及のねらい
近年、テレビゲーム業界では、特に映像表現に関わるハードウェア技術の発達に伴って映画的表現の傾向が強まり、ひたすらに長時間プレイを強要したり、操作が複雑化したりすることで、ゲームが一部のマニアだけのものになっている傾向がある。任天堂によれば、ニンテンドーDSはこの傾向に歯止めをかけ、タッチスクリーン、音声認識などのシンプルかつ斬新な操作方法で、ゲーム初心者と上級者が同じスタートラインに立てるゲーム機にしていきたいという意図がある。
これまでゲーム機のターゲットでなかった層への幅広い普及を図るため、任天堂は「Touch! Generations」という一連のシリーズを発売した。そのラインナップには、キャラクターが出す音や映像を楽しむ「エレクトロプランクトン」、画面上の子犬とコミュニケーションする「nintendogs」、国語辞典・英和辞典・和英辞典を内蔵した「DS楽引辞典」、脳の活性化を促進できるとする「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「やわらかあたま塾」など、従来のいわゆる「ゲーム」の枠にとどまらない、老若男女が楽しめるソフトのシリーズである。
2005年12月26日、任天堂は都内の会場で「ニンテンドーDS Touch! Generations新作ソフト記者発表会」を行い、その中でニンテンドーDS販売台数500万台を突破したと発表した。さらに「nintendogs」「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「やわらかあたま塾」「おいでよ どうぶつの森」「マリオカートDS」の5本がともに100万本を越える販売本数に達したとも発表した。
更に発売初期の宇多田ヒカルをはじめ、加藤ローサ、ユースケ・サンタマリア、ナインティナイン、松嶋菜々子などの有名人や一般人が出演しDSで遊ぶ様子を撮った広告・CMをはじめ、女性ファッション誌や中高年向け雑誌・新聞などに広告を載せたり、渋谷などでの街頭プロモーションなど、これまでのゲーム機とは違った、間口の広さを強調した広告展開をしている。
他機種との競争
DSは一時、PSP(ソニー・コンピュータエンタテインメント)との競争が注目された。互いに開発コンセプトが違うため相手を意識していないとのコメントを出していたが、発売時期が重なったこともあり、多くのユーザー間で売り上げの差が話題になっていた。どちらも2004年12月に発売。当初はほぼ互角であったが、Touch! Generationsの効果などでDSが徐々に売り上げを伸ばしてゆき、現在は携帯ゲーム機の市場においてDSが圧倒的シェアを占めている(2006年(1~7月)の国内ゲーム市場では据え置き型ゲーム機をも上回った)。
また、任天堂の次世代据置ゲーム機Wiiとは無線LANを通じた連携が可能となる予定であり、相乗効果も期待される。
日本におけるゲーム機戦争・携帯ゲーム機も参照。