ハイビジョン

ハイビジョンとは、NHKが開発した高精細度テレビジョン(High Definition television/HDTV)の愛称である。日本に於いては当初はアナログHDTVのみを指す言葉であったが、現在では1080i、720Pの映像を扱う放送、映像を指すものとして一般的なものとなっている。

海外のHDTV方式についてはデジタルテレビの項を参照の事。

概要
走査線が多いため映画のフィルム並みの高精細な画像である。画面の縦横比(アスペクト比)は人間の視野に合わせて標準(4:3)よりも横長な16:9である。

日本では2006年現在、3種類の放送規格がある(BSアナログハイビジョン()・衛星放送(BS/110°CS)のデジタルハイビジョン(ISDB-S)・地上デジタルハイビジョン(ISDB-T))。

かつて、2005年6月20日から7月31日までの間にこの形式で制作された番組で、夜7時~11時台に放送される民放番組には、アナログ放送標準テレビでの視聴者向けに冒頭で画面端にHVその下に”ハイビジョン番組”(現在は日本テレビ系列で表示)或いは”ハイビジョン制作”(現在はTBSとテレビ東京系列で表示)と数秒間の表示(参照リンク[1])がされていたが、同年12月1日から再び全国で一部の番組を除く全日の時間帯(全国放送・ローカル放送を問わず)で表示(アナログ放送・デジタル放送両方で)されている。但しフジテレビテレビ朝日系列は”ハイビジョン制作 Hi-Vision”と表示デザインが異なる(一部番組を除き提供クレジットから表示)。テレビ東京の場合、ニュースなど生放送番組では番組内で使用されている表示テロップから出している関係から実際にハイビジョン放送される地上デジタル放送やBSジャパンでも”ハイビジョン制作”のマークが表示されている(他系列の一部番組も同様 CS放送でも稀に表示されることもある)。当初は1ヵ月限定での表示だったが、常時このマークの表示が行われる様になった。なお同じ日本テレビ系列でも、北日本放送(KNB)だけは、自社制作番組では他の系列局とは違う「KNBハイビジョン」という表示を使用している。また、WOWOWではハイビジョン放送の番組では最初に「HV」という映像が流れる。(5.1chサラウンドステレオも行う場合は「HV 5.1」と表示される。)

NHKでは地上波、衛星波、国際放送(NHKワールドTVなど)を問わずほとんどの番組がハイビジョンで制作されているため表示されていない。ただ、以前は「ハイビジョン同時放送」(1994年頃~2003年3月)、「ハイビジョン同時」(2003年4月~11月)、「BS hi同時」(2003年12月以降 地上デジタル放送でもハイビジョン放送を行うための区別として)といった表示があった。

アナログハイビジョン
本格的な研究は東京オリンピック後にNHK放送技術研究所で始められ、1972年にはITU-R(当時はCCIR)に規格提案が行われた。1980年代に入ってテレビカメラ、高精細ブラウン管、ビデオテープレコーダ、編集制作機器などのハイビジョン映像信号対応機器が開発され、実用化の準備が整い始めた。ハイビジョンの愛称もこの頃から使用され始めている。1982年にはデジタル技術を用いて帯域圧縮を行い、放送衛星のトランスポンダ1波の伝送帯域でアナログ放送を行うMUSE方式(Multiple Sub-Nyquist-Sampling Encoding system)が開発され、これを用いたBS放送が1989年から実験放送として開始、さらに1994年からは実用化試験放送が開始された。

デジタルハイビジョン
NHKはハイビジョンを世界の統一規格にする事を目指し、欧米で精力的な標準化活動を続けたが、政治的その他様々な理由から、日米欧はそれぞれ異なる方式でHDTV放送を行う事になった。

また、アメリカではHDTVの開発をデジタル放送方式で行う事になり、欧州もこれに追従したため、日本でも放送のデジタル化が推進される事となる(→デジタルテレビ)。

このため、現行のHDTVアナログ放送であるBSハイビジョン放送は使用中の放送衛星であるBSAT-1の設計寿命が尽きる2007年9月末を以て終了する。

なお、デジタルHDTVであってもベースバンドの映像制作・蓄積に於いては、アナログハイビジョンのために開発された技術が使われているため、アナログ時代に制作されたハイビジョンHDTV素材は簡単な処理を経てデジタルハイビジョンで放送可能である。

デジタルハイビジョン放送
BSデジタル(衛星放送)では一部チャンネルを除きハイビジョンで放送されている。
CSデジタル(SKY PerfecTV!110、WOWOWデジタルプラス)は一部チャンネルのみがハイビジョンで放送されている。

※なお、BSとCS放送のコールサインはそれぞれの放送衛星の受託放送事業者が免許を管理しており、各放送局はそこからの委託放送事業者として放送を配信しているため放送局単位でのコールサインはない。
地上デジタルテレビジョン放送でも一部チャンネルを除きハイビジョンで放送されている。

※標準画質のカメラで収録した番組はアップコンバート(解像度の変換を行い標準画質の映像をハイビジョン信号として放送する事)を行った映像が放送される。これはBSデジタルでも同様。この番組を16:9画面サイズのテレビで見た場合、4:3サイズの映像部分が中心部に表示され両端にサイドパネルが表示される。但し、この形式の放送信号を4:3画面サイズで見た場合、付加情報で4:3画角情報を付かない場合は額縁みたいに映る現象が起こる。4:3画角情報が付いた放送信号の場合は両端のサイドパネルが見えない状態までズームされた形で4:3画面全体に表示される。

※上記形式以外の16:9画面サイズの映像番組を4:3サイズの標準テレビで見る場合は、エッジクロップ(4:3画面サイズになる様に両端をカットした状態)形式となるか、上下に黒帯を表示するレターボックス形式での表示となる。表示される映像部分の比率はレターボックス形式が16:9、エッジクロップ形式の場合は14:9か13:9のいずれか。尚、どちらかになるかは、テレビ受信機側の機能に因る。