パーソナルコンピュータ (Personal Computer) とは、主に個人で使用するために作られたコンピュータの事で、「パソコン」、「PC(ピーシー)」と略される。が、同じく「PC」は、日本において、PC/AT互換機や日本電気のPCシリーズ(PC-8001、PC-8801、PC-9801など)を指している事も多いので注意が必要。
日常的に単に「コンピュータ」と呼んだ場合は、パーソナルコンピュータを指している事が多い。
概要
1960年代以前、コンピュータは、きわめて大型で高額なものであり、当時は1台のコンピュータを複数人が共同で利用するのが一般的な形態であった。1970年代に入る頃には、高額かつ大型で専門家が操作するメインフレーム(汎用コンピュータなどとも呼ばれる)、事務計算用のオフィスコンピュータ(オフコン)、研究用のミニコンピュータ(ミニコン)など各種のコンピュータに分化していたが、特別な場合でない限り、いずれも複数人が共同で利用した。
1970年代後半になって、個人で購入可能なくらいに小型で低額なコンピュータが登場した。このような製品を当初はマイクロコンピュータ(マイコン)などと呼んだが、外観・操作性が洗練されてきたものを、従来品との差別化を図るため、個人用途であることを強調した「パーソナル」を冠して呼ぶようになった。
現在一般的には、入力機器としては、キーボード・マウス(ポインティングデバイス)など、出力機器としては、ディスプレイ・プリンタなどと組み合わせて利用する。
パソコンとワークステーションとミニコンとオフコンの違い
「筐体の大きさがどれくらいあるか」、「どんな業務に利用できるのか」、といったことは、これら4者を区別するのに際し、全く無関係のことである。基本的には「ルーツ」と「内部アーキテクチャ」等で分類する。
パソコン
パソコンの定義については、本ページの別の項目に解説があるので割愛する。なお、パソコンのルーツは二系統ある。一つはホスト機のダム端末のインテリジェント化として始まった系統。もう一つはTK-80やAltair 8800のようなホビーマイコンとして始まった系統である。特にホビーマイコン系の方は、大抵のものがインテルの8080/8086互換系のCPUを搭載していた。
ワークステーション
ミニコン若しくはマイコンをルーツにし、発売時においてパソコンに比して高速なCPUを搭載したマシンであり、グラフィックのレンダリングなどの高負荷計算を自らのCPUにおいて行うことが出来るマシンを指す。かつては、オフィススイートさえ備えていればワークステーションだとされる時代もあった。外部からリモートで操作されることを前提としておらず、リモートで操作されるようなタイプを「サーバー」という名前で呼びかえるのが普通である。
ミニコン
ミニコンは、メインフレームのように大規模なシステムを想定したしかけが搭載されていないながら、メーカー独自のアーキテクチャを持ったコンピュータを指す。その性格上、メインフレームに比してダウンサイジング化やオープンシステム化の影響を受けやすく、メインフレームよりも早く市場から淘汰されていった。大きさについては、電子レンジ以上の大きさを持っているものを指す。あまりに小さいものはマイコンに分類されてしまう。逆にメインフレームに匹敵するほどの大きさを持っていても分類上問題ない。
オフコン
オフコンはミニコン及びワークステーションの一種であるが、「これはオフコンである」とベンダが宣言し、既存の業務パッケージをマシン購入と同時に利用できる形で売り出した製品を指す。日本独自の呼称表現であり、欧米では日本で「オフコン」と呼ばれるコンピュータも「ミニコン」と称する。現在オフコンと呼ばれているものは、昔においてオフコンと呼ばれたものの後継版製品を指す。現在では内部ハードウェアアーキテクチャはパソコンと同様であることが多いが、独自OSを搭載し、かつてのオフコン用のアプリケーションが使用できるように施してある。
デスクトップ型
かつては横型の筐体を使用したものをこのように呼んでいたが、現在ではミニタワーなどの形状でも机上に置くことができるものはデスクトップ型と呼ぶ場合が多い。
タワー型
縦型の筐体を用いるパーソナルコンピュータである。大きさによって、フルタワー、ミニタワー、マイクロタワー、スリムタワーなどがある。立方体に近い形状をしたキューブ型パソコンも、広義ではこのタワー型に入る。フルタワーやミニタワーは、メンテナンス性に優れ、内部拡張性が高いものが多い。ヘビーユーザーにとっては設置面での問題を別にすれば最も適した種類である。
ディスプレイ一体型
本体(マザーボード、電源等)とディスプレイをひとつの筐体に収めたもの。製品によってはキーボードも一体化している場合がある。超小型デスクトップとは違って内部の部品は一般的なデスクトップ用の部品を使用しているものが多いが、ノート型の部品を転用している場合も見られる。デスクトップ型やタワー型と比べると機能拡張面で弱い傾向が見られる事から、ヘビーユーザーからは敬遠されがちである。
キーボード一体型
本体とキーボードが一体化しており、外観は分厚く大きいキーボードのようである。テレビ接続を想定していたかつての8ビットパソコンに多く採用されていたが、1990年代以降は少なくなっている。
超小型
ノートパソコンの部品を利用して内部拡張性を排除したデスクトップパソコン。ノートパソコンのように電源を外付けにしているものが多い。機器組み込みなどの特殊用途やサーバ用に販売されていたが、低価格を売りに一般向けに販売され、ライトユーザーを中心に人気を博している機種もある(Mac mini)。
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可搬型
可搬型には次の種類がある。
ラップトップ型
本体、ディスプレイ、キーボードをひとつの筐体に収め、移動のためのハンドルを持った形状のもの。現在のノートパソコンのような小型軽量のものが登場するまでは、可搬型といえば(Osbone-1のようなものを除き)これしかなかった。なお、電池を内蔵せず、使用時は商用電源が必要なものもある。また、マサチューセッツ工科大学のプロジェクトチームが発展途上国の子どもたち向けに開発中の100ドルパソコンでは、電気のない地域でも利用可能にするために手動のハンドルで電力を供給するシステムを採用している。
ノート型(詳細はノートパソコンの項を)
A4ノートサイズ以下の大きさで、折りたたんで持ち運び可能なもの。ノート型のうちでも可搬性を重視したものとして、サブノートやミニノートがある。主に据え置きで使い、長距離の持ち運びより室内での移動を想定した大型で重いものは、DTR(デスクトップリプレイスメント)、トランスポータブルなどと呼ばれる。
サブノート
ノート型の中で小型のもの。おおむねB5判以下あるいは、A4判で特に薄型のものをさす場合が多い。
ミニノート
サブノートよりも小型のもの。おおむねA5判以下のサイズのものをさす。
キーボードやマウスを省略し、液晶ディスプレイに一体化したペンタブレットで文字入力とポインティングを行うものをペンコンピュータといい、2002年にマイクロソフト社が発売した専用OS (Microsoft Windows XP Tablet PC Edition) を搭載するタブレットPCもこれに含まれるが、普及はまだこれからである。
また時計型や頭部に装着するなど常に身体に携帯して使用するタイプを総称してウェアラブルコンピュータと呼び、今後普及が期待される形態のひとつである。
なお、Personal Data Assistant(携帯情報端末、PDA)と呼ばれる手のひらに入るくらいのもの(パームサイズ/ハンドヘルド)は、パーソナルコンピュータとは別のカテゴリである。
仕様
現在、一般的に出荷されるパソコンは、CPUにインテルの80x86(AMDなど他社製互換CPU含む)、OSとしてMicrosoft Windowsを搭載したPC/AT互換機(いわゆるWintel=ウィンテル仕様PC)が大勢を占める。
他には独自仕様OSであるMac OSやMac OS Xを用いたMacintosh(マッキントッシュ)が、教育・学術・出版・デザイン・音楽・映像などの分野で一定の支持を得ている。
また、LinuxにWindows風味のデスクトップ環境(KDE、GNOMEなど)を加えオープンソースのMicrosoft Office互換オフィススイートをプリインストールしたLinux PCを普及させようという動きがあるが、一部の発展途上国を除いて、まだ普及するきざしは見られない。
日本では、漢字やひらがな等英語圏の文字に比べて当時のパーソナルコンピュータにとって特殊だった日本語(マルチバイト文字)利用のためのハードウェア・ソフトウェアの追加が必要なため、1990年代前半までNEC・シャープ・富士通などが独自仕様や、PC/AT互換機に日本語を扱うためのハードウェア的な拡張を施したAX仕様の機種を開発・販売していたが、1990年にPC/AT互換機単体で日本語が取り扱えるOS「DOS/V」が開発されたことや、1993年のWindows3.1の発売・普及とともにPC/AT互換機に移行した。