プラズマディスプレイ (PDP, Plasma Display Panel) は放電による発光を利用した平面型表示素子の一種である。電極を表面に形成したガラス板と、電極および、微小な溝を表面に形成し、溝内に赤、緑、青の蛍光体層を形成したガラス板とを狭い間隔で対向させて希ガスを封入し、この電極間に電圧をかけることによって紫外線を発生させ、蛍光体を光らせて表示を行っている。
特徴
自発光型のディスプレイで視野角が広く、応答速度が早い、色純度がよい、比較的大型化が容易(液晶と比べて)という利点を持つが、明るい部屋でのコントラストが低い、擬似輪郭の発生、焼きつきが起こりやすい、消費電力が高い、ディスプレイの発熱、高精細化が困難などといった欠点も併せ持っている。
近年では以前に比べかなり改善され、特に消費電力の点では、平均的な動画像表示時においては、液晶よりも消費電力が小さくなってきている。これは、PDPでは、表示画像によって消費電力が変化する(暗い絵では消費電力が小さい)のに対し、液晶では、バックライトが常に点灯しているため、映像による消費電力変化が無いためである。
■プラズマディスプレイ
2枚のガラスの間に注入された希ガス(ネオンガス)の中で放電(プラズマ)現象を起こし、発光させるという新世代のディスプレイ方式のこと。大画面、薄型化が容易で、液晶のように視野角が制限されない。
■開口率
プラズマの場合、高画質化を進めていくと、画素サイズが小さくなると同時に、表示電極が増えるためにその影になる面積も大きくなる。例として垂直方向1024画素のHD対応パネルの場合、開口率は30%以下となる。
■セルサイズ
RGBを1つのセルとして見た場合の大きさ。一般的に高解像度化が進むとセルサイズは小さくなり、おのずと画像の明るさ(輝度)にダメージを受ける。HD対応モデルでは独自の工夫でこの問題を解消している。
■画素数
RGBの蛍光体をひとまとめにした単位で、この数によってパネルの解像度が決まる。家庭用としては横853×縦480画素が一般的だが、さらに高画質化を遂げたHD対応パネルを搭載したモデルも登場しつつある。
■ブラックストライプ
プラズマの発光の漏れを軽減すると同時に、外光の反射を抑える技術のこと。プラズマの弱点ともいえる黒の再現性が向上できるため、ほとんどの製品が採用しているが、ALIS方式のパネルでは原理的に導入が難しい。
■ALIS(Alternate Lighting Surfaces Method)パネル
プラズマの場合、全画素を一気に駆動させるという「全面同時発光方式」が一般的であるが、ALISでは偶数ラインと奇数ラインを交互に発光させる。この方式のこと。512本の走査電極でも2倍の1024本の走査線表示が可能だ。
■CCF(Capsulated Color Filter)
パネルを構成するガラス基板に、赤、緑、青のカラーフィルターをストライプ状に埋め込み、それをカプセル化するというものだ。高純度な色再現が可能になると同時に、外光反射も抑えられるというメリットがある。
■ワッフルリブ
プラズマはGBRの各蛍光体の境目に縦方向に隔壁を設けるストライプ構造が一般的だが、ワッフルリブは井桁状のリブ構造で、その微細な窪みの壁に各蛍光体を塗布している。各蛍光体が1つ1つ独立した部屋に収まる。
■ファンレス構造
発光効率があまりよくないプラズマの場合、発熱対策として複数の冷却ファンを装備しているケースが多い。しかし最近の技術の発展により、回路の省エネルギー化や構造への工夫が奏効し、ファンを取り除いた製品も登場している。
■一斉放電
ブラウン管の場合、画面の左上から順次電子ビームを走査し画像を表示するが、プラズマは画面を構成するセルのすべてが一斉に放電して、発光体を発光させる。大画面化してもチラツキが発生しにくいという特徴がある。
■プラズマAI
映像の内容に応じて適応的に輝度をコントロールするプラズマ独自の画質改善回路のこと。暗いシーンでは画面を分割して制御するというもので、ピーク輝度が稼げるだけでなく、省エネルギー化にも一役買っている。
■非対称セル構造パネル
ナチュラルな色再現を実現するために考えられたパネル技術のこと。発光効率の悪い青のセル(画素)を赤、緑よりも大きくすることで、より高い色温度が得られ、しかも白ピークを伸ばせるという構造のパネルである。
■擬似輪郭
動きのある部分で、ゴースト状のノイズ、画像のボケ、色のズレなどを感じてしまうという、プラズマディスプレイでよく見られる症状のこと。特に人の肌のような色合いがなだらかに変化している部分で目につきやすい。
■予備放電
上下に取り付けられた電極(+と-)の間で放電を起こして画像を表示するプラズマでは、放電を引き起こす種火(予備放電)が不可欠。従来1フィールドあたり12回の放電を行なっていたが、最近では1回のものも登場した。
■リアルブラック方式
プラズマディスプレイの欠点として指摘されることの多い黒浮きの問題を解消するための技術。予備放電の発光量を抑える(微弱予備放電)と同時に、発光回数も従来の1/12にすることでコントラストを改善している。
■アドレス電極/表示電極
パネル内のネオンガスを予備放電させるのがアドレス電極で、最終的に蛍光体を発光させ画像を再現させるのが表示電極だ。通常「表示電極の数(+、-のペア)=垂直の画素数」となる。
■AC型パネル
予備(消去)放電、書き込み、維持という3つの動作をきわめて短時間内ごとに繰り返し画像を表示する方式。予備放電は480回/秒にも上り、黒が浮く傾向にある。DC型パネルと比べ大画面化しやすい。
■XGAワイドパネル
16対9のアスペクト比で、水平方向1280画素、垂直方向768画素を持つ表示パネルのこと。XGAパネルをそのまま横長にしたもので、HDへの対応を強く意識している。BSデジタルの720pと相性がいい。
■VGAワイドパネル
16対9のアスペクト比で、水平方向853画素、垂直方向480画素を持つ表示パネルのこと。HD画像の情報量には対応しきれないが、480i、480pを画素変換せずにそのまま表示できるというメリットがある。
■1080p
水平方向1920画素、垂直方向1080画素というHD画像をプログレッシブ表示するというデジタル放送の1フォーマット。最近は1080iを1080pに変換して表示するプラズマディスプレイも登場している。
■VT(Vertical Temporal)フィルター
ビデオ収録素材に対して、より自然なプログレッシブ補間を行なうための技術。具体的には静止画処理と動画処理のちょうど中間の処理を行なうフィルターであり、比較的ゆっくりとした動き部分の処理に威力を発揮する。
■画素変換
プラズマに限らず、固定画素のディスプレイに画像を表示する場合、映像信号をその画像構造に合せて変換する必要がある。この信号処理の良し悪しはそのまま画質に効いてくるため、ひじょうに重要な意味を持つ。
■FHP
富士通、日立、ソニーの3社の出資によって運営される、プラズマパネルのメーカー。ALIS方式はこの会社で製造されるもので、さまざまな仕様のパネルを供給する、今後の動向が注目される会社だ。