PDPにおいて、コントラスト比を高めること、それは、予備放電を下げるということにつながる。予備放電とは、蛍光灯に喩えれば、すぐに明るく光らせるため、種火のように薄く光らせておく技術とでもいえるだろうか。この予備放電が少なく暗く抑えるほど、コントラスト比は高まるということだ。
独自のリアルブラッククリエーション技術(PX500、PX50シリーズ)によって、すでに3000:1という数値は達成されていた。今回は、さらなる高画質を求めて、4000:1というさらに高度なコントラスト比が求められた。
「コントラスト比をより高くしていくのは、そう簡単なことではありません。予備放電をより微弱に下げることが必要ですが、それをいかに安定させるかが重要なのです。つまり、種火を小さくし過ぎて、消えてしまったら何も意味がないのです」。
そこで、予備放電の安定化に決定的な役割を果たしたのが、木子たちが積み上げてきたパネル駆動の技術であった。駆動波形を工夫することによって、効率のよい安定的な予備放電が保たれる(放電制御)のだ。駆動波形とは、どのように電圧を与えて放電するかを決定づけるものである。木子たちが追い求めたのは、実に数千万分の1秒という想像もつかないほどの瞬間的な発光に与える波形であった。