架空請求詐欺(かくうせいきゅうさぎ)とは、根拠のない請求を行い金品を騙し取ることをいう。 刑法としては、詐欺あるいは恐喝罪が適用されることがある。
近年、債権管理回収業者をかたり、金銭を要求する手口が多く、以下、その手口を中心に説明する。
債権管理回収業者をかたる手口
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概略
債権譲渡を受けた債権管理回収業者をかたって、実際には利用していない有料情報サービス(有料アダルト番組、ツーショットダイヤル、ダイヤルQ2、ウェブ上の有料アダルトサイト、出会い系サイト等)の利用料や債権などを請求する文書を、電子メールや葉書等で送りつけ、送金を要求する行為が多い。電子メールで送られるものは、迷惑メールの典型的な一形態となっている。2005年8月には架空請求詐欺に引っかかった被害者が詐欺者にカモにされたことにより多大な借金を作ることになり、心中事件が発生した例もある。
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特徴と文例
おおよそ、下記文例のような文面が送付される。振込先口座は、ほとんどが個人名義であること、連絡先が携帯電話であること、会社の住所が記載されていない・記載されていても実在しないデタラメの住所や全く関係無い人の住所を使ったり、私書箱であることなどが特徴である。
送り先としては、何らかの形で流出した個人情報を入手した者が、これを基に送りつけているものと思われる。従って、有料情報サービスを使う可能性の低い幼児やお年寄りの宛名で、または単なるメールアドレス宛に送付されることもある。 個人信用情報機関のブラックリストへ登録すると記載されていることもある
最終勧告通知書
弊社は○○債権委託連盟の○○総業です。この度ご通知しますのは過去に貴殿がご利用なさいました有料情報サービスの未納通信料金をコンテンツ営業者様から弊社が債権委譲(民法467条に基づき)を承りましたので大至急弊社の方までご連絡くださいますようお願いいたします。最終期日までにご連絡のないお客様に関しましてはお支払いの意志がないものとみなし、担当員、顧問弁護士がご自宅または勤務先に直接訴訟手続き、回収に伺います。尚、弊社は有料情報サービス利用記録がある方のみにご通知しておりますので必ずご連絡頂けるようお願いいたします。
※お支払いに応じていただけないお客様に関しましては最終的に法に基づいた民事手続きの少額訴訟に移行させていただきますのでご了承ください。
○○総業(株)
担当直通 080-○○○○-7248
080-○○○○-7089
090-○○○○-7819
080-○○○○-6162
受付時間 月-金 9:00-16:00
土 10:00-15:00
最終受付期日:2月27日 管理番号:○○○○
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対処法
実際に架空請求の郵便物や電子メール等が来た場合には、原則として無視するべきだが、裁判所から来た場合には注意を要する。また、電子メール等で、認識番号等を表示して恰も個人情報を知っているかの様に装って追い詰めようとするものもあるが、実際には何も知られていないと考えられる。債権回収業者を装う場合には、本当の業者であるかどうかを確認するのも手である。
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原則的対処
こちら側から連絡を一切しないで、無視することが勧められてきた。こちらから改めて連絡すると、架空請求者に有利な展開となる可能性がある。発信した場合には業者側にとって
電話を受けることで、対象者の実在を確認できる
発信してきたことである程度の心理的傾向をつかむヒントが得られる
几帳面である
心配性である
不安に陥っている可能性大
番号通知で電話番号を把握できる
番号非通知の着信を拒否するように設定しておけばよい。
顧客確認と称して請求書記載の管理番号を連絡させることで、氏名と住所や電子メールアドレスを特定できる
本人確認と称して(まだ知らない)氏名・住所・電話番号等を申告させて、改めて把握できる
電子メールで送りつけた請求に対して連絡してきた場合など
根拠となる契約書や利用履歴を請求されたら送付先を確認すると称して住所等を聞き出せる
通常は契約時に住所等を通知してあるはず
さらに法律用語で煙に巻きつつ脅迫の言葉を畳みかけて支払いを強要できる
口頭でも債務存在確認と支払いの確約を取って録音できれば後の展開に有利
得られた情報をリストにして転売できる
等、更に情報を得られ、連絡した側は不利となる。
絶対に使ったことがないと確信を持っており、間違いであると主張するために業者に連絡を取ることも望ましくない。電話連絡をする限りはこじつけてでも債権存在を主張し、これを認めさせようとすると考えられる。または個人情報の収集が目的で、少なくとも何かの連絡を返してくる個人であるとの情報にまとめられ役立てられると考えられる。 同様に、手違いであると教えるために連絡することも望ましくない。
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債権管理回収業者名の確認
債権管理回収業は、かつては弁護士以外の者が業として行ってはならないものであり、平成11年になって厳密な審査を行ったうえで許可された企業も営む様になったものである。法務省より債権回収業を許可された企業名の一覧が公開されているので、まずは、ここに該当するかどうかを確認する。該当しない業者が債権回収を名乗る時点で違法である。
業者名をWEBの検索ページで探すのも手である。他にも同様の被害があれば多数がヒットする。また、架空請求詐欺の業者名を収集し一覧としているページ(東京都江戸川区消費者センターの例,架空請求である理由と区の対応も示している)もあるので、こちらを参照するのも手である。いずれにせよ、被害にあったのは自分だけではないと判り、落ち着く助けになる。
尚、企業が債権管理回収業者として許可を受けるには5億円以上の資本金と取締役に弁護士1名以上の所属が必要であり、規模等から考えて数万円程度の債権回収を代行するとは考え難いという説明もある。そもそも法で許可された債権管理回収業は有料情報サービスの債権回収はできないうえ、目隠しシールのない葉書での通知はしないようになっている。また連絡先に携帯電話を使ってはならないうえ、複数の電話番号の羅列も認められていない。
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裁判所からの通知
但し、少額訴訟制度や支払督促制度を利用した手口もあり、特に発送元が裁判所である書類が届いた場合は放置せず、裁判所に確認するか、弁護士や消費者センターなどに相談し、正式な支払督促と判明した場合は、2週間以内に督促異議の申し立てをすること。
裁判所を騙って少額訴訟や支払督促を装った文書を送付する事もあるので、送付されてきた書面に記載の住所や電話番号をそのまま信じず、自分で裁判所の住所や電話番号を確認して連絡を取る。
裁判所から小額訴訟や支払督促に関する連絡をする場合は特別送達により、原則として郵便局員が本人のサインと引き換えに直接手渡す。普通郵便だったり、茶封筒や葉書を投げ込んでゆくものは、裁判所からの連絡である可能性が低い。
また、支払督促に併せて振込口座を指定し、直接お金を振り込むように命令することは無い。振込先口座の情報まで同封されていたら、やはり裁判所からの連絡である可能性が低い。
少額訴訟では裁判所からの口頭弁論呼出などの書面が届く。これに出頭しなければ自動的に敗訴となり法的に有効な債務となる。
支払督促では所定期間以内に異議申し立てをしないと、自動的に法的に有効な債務となる。
最初は「債務者」の言い分を聞かずに、申し立て人の言い分のみを聞いて支払督促命令が出される。根拠が無くても請求の書式が揃っていれば命令が出るので、当該請求の元となった情報利用料の履歴や請求の根拠が間違いないものであると裁判所が確認したり判断を下しているわけではない。命令を受け取っても慌てる必要はなく、弁護士や消費者センターに相談して異議申し立てを行えば充分対処できる。
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弁護士の名称
請求の書面に弁護士の名前も掲載して法的にも追い詰めると主張しているものもあるが、これも方便である可能性がある。弁護士名については以下の方法で確認できる
日本弁護士連合会の検索ページ
ここで検索の手を尽くしても見つからなければ、弁護士を騙ったものであり、その時点で違法である。
又,仮に該当する弁護士が見つかった場合には、当該する弁護士に直接連絡を取ればよい。但し、郵送してきた業者を通して確認するのではなく、自分で連絡先を調べて直接連絡を取ること。
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内容証明郵便
請求を内容証明郵便で送りつけてくる例もあるが、これらは何の法的効果も無い。単に、記録が郵便局に残っているに過ぎない。その請求が疑い様の無い本物であると、誰かしらが裏付けたものではない。やはり裁判所以外が発送人であれば無視する。
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個体識別番号・認識番号等を表示した請求への対処
携帯の電子メール等で、使用している端末の固体識別番号を表示して、恰も個人情報を把握していると匂わせて会社等に押しかけて迷惑をかけるとするものもあるが、多くの場合は実際には何も知られていないので不安になる必要はない。
端末に個体識別番号は割り振られいるが、製造番号、シリアルナンバの様なものである。
個体識別番号と電話番号は関連が無い
携帯サイト内に特定のコマンドを埋めておくと、その個体識別番号が業者側に通知される
必ずしも契約操作を行わなくても通知されるので、個体識別番号の把握を以って契約の成立を主張できない。
個体識別番号と個人情報は結びつける事が出来ない。
携帯キャリアは把握しているが、外部に漏らさない、とされる。
不安に駆られて電話等で問い合わせをするのは危険である。「本人確認」と称して逆に個人情報を聞き出されるおそれがある。
また、パソコンについて「新認証システム」「次世代コード」などの名目で英数字の羅列からなる識別コードを示し、これで貴方のパソコンを特定し、WEB閲覧記録や有料コンテンツの利用履歴を把握している、という主張もあるが、電子商取引で一意にパソコンを特定するコードは現時点で存在しない。
本人確認法施行に伴い、ネットを介してパソコンに識別番号を付与した
電子商取引を円滑に行う為に全てのパソコンには利用者特定のための固有の番号がついている
その固有番号と個人情報の対応は、電子商取引業者に開示されている
等などは、嘘である。次世代と名乗り、如何にも新しいので御存じないのは当然だが今普及しつつあるものと装うあたりは芸が細かい。当該番号は、実際には業者側でランダムに発生させたものに過ぎない。こちらも不安に駆られて連絡をするのは危険である。
類似の方法として、パソコンからサイトにアクセスしてきた際のIPを記録し、これをもって個人を特定したと主張するものがあるが、IP固定ではないプロバイダを介して個人がアクセスしてきた場合には、業者側がプロバイダに対して接続記録の開示を要求する必要がある。
通常はこの様な開示要求には応じられない
一方、企業や組織の中からアクセスした場合にはIPから特定の組織までは突き止めることができるが、その中の誰がアクセスしたかまでは判らない事が多い。
とは言え、外部からこの様な請求が来たことから、怪しいサイトに接続していたことが明らかになり、当人は肩身が狭い。
最後の手段として、MACアドレス(ネットワークカードに振られている番号)を把握する手段がある。これは世界中でカードごとに固有の番号が振られているので、特定の1枚を識別することが可能である。但し、携帯電話の固有番号と同様、IPアドレスや、個人情報とは何の関係も無いので、尋常な手段では個人を特定する事は出来ないと思われる。
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まとめ
上記の様に裁判所に関するものを除いて原則として無視・放置しておいて差し支えない。
なお、架空請求業者が「回収」と称して本当にやってきたという事件も稀ではあるが報告されている。
心配であれば、地域の警察や消費者センター、国民生活センターなどの公的な窓口に相談することも必要である。
いずれにしても、該当する葉書やメールにある連絡先に連絡してはならない。
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架空請求に関する相談件数
内閣府は、12月22日に架空請求に関する調査結果を発表した。
国民生活センターと各地の消費者センターへの相談回数は、36万6221件(2004/4~11)で、前年同期(14万519件)の約2.3倍に達した。
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葉書による架空の訴訟告知
「契約会社が契約不履行による民事訴訟として訴状を提出した。訴訟取り下げ申請期日を経て訴訟が開始され、連絡が無ければ原告側の主張が全面的に受理され給料などを強制的に差し押さえるので、裁判所執行官による『執行証書の交付』を承諾してもらいたいと同時に、債権譲渡証明書を一通郵送する」という内容の「民事訴訟特別告知書」という葉書を送って相手を脅し、葉書に書かれた番号へ連絡させるという手口の詐欺が発生している。葉書を送ってくる組織の名前には「財務省指定」などとある場合もあるがすべて架空のものである。また葉書に書かれた連絡先に電話をするとこちらの電話番号などが知られてしまうため、葉書が送られてきても無視するのが最も良い対処法である。
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葉書や電子メールによる義援金詐欺
新潟県中越地震の発生後、日本赤十字社や共同募金、自治体をかたり、葉書や電子メール、ビラなどで義援金を呼びかけ、全く無関係の口座に振り込ませようとする義援金詐欺が発生している。これらの機関では葉書や電子メール、ビラでの個別の義援金の呼びかけは行っていないため、警察当局では架空請求詐欺の一つの形態としている。 しかしながら、イーバンク銀行では、口座開設者全員に中越地震の義援金に関するメールを配信している事例がある。故に本人がその真偽を判別する能力が問われる問題である。
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国民健康保険料詐欺
実在しない組織「国民健康保険庁」から、郵便で「指定の電話番号に連絡しない場合は、国民健康保険証が無効になる」と電話をかけさせ、国民健康保険料の支払いを要求する詐欺が発生している。
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JASRACを騙る利用料請求
ファイル共有ソフトを介して楽曲を不正に蓄積・使用したことが確認されたとして、著作権法違反による訴追をちらつかせつつ利用料を請求する。電話による請求で50万円前後の例が多い。
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電子メールによる架空請求詐欺
電子メールによる架空請求詐欺の手口については、スパム (メール)の項目を参照のこと。