格差社会

格差社会(かくさしゃかい)とは、ある基準をもって人間社会の構成員を階層化した際に、階層間の遷移が不能もしくは困難である状態が存在する社会であり、社会問題の一つとして考えられている。

日本の格差社会
現代日本の社会で「格差」を言う場合、主に経済的要素を指していることが多い。ここでは経済的要素に関する格差社会について詳説する。また過去の日本の格差社会については#過去の格差社会を参照のこと。

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認識
1990年代以降の日本では、不景気が長引く一方で、社会の需要をつかんだ一部の人たちの中には若くして大金をつかむ人たち(勝ち組)もいた。また、終身雇用制度に護られた年配層や旧来の財界人などは、その既得権益により一定の利益を得ることができた。

こういった状況の中、既得権益を持たず就職難にあえぐこととなる若年層の中から登場した、安定した職に就けないフリーターや職自体に就けない(もしくは就こうとしない)ニートといった存在が注目されるようになったこと、ジニ係数拡大の統計発表、セレブブームに見られる富裕層の豪奢な生活振りが盛んに報じられるようになったことなど、種々の要因により、格差社会が成立しつつあるのではという認識がされるようになった。 OECDの2000年の統計によると、日本の相対的貧困率(全体の中央値以下の所得を得ている者の割合)は、加盟国中アメリカに次いで二位となっており[1]、格差は確実に存在しているというのが一般的な認識となりつつある。東京大学の苅谷剛彦教授は現状の日本社会を「inequality(不平等)以外の英訳が見当たらない」と評している。

ただし、格差社会は以前から存在していたもので、特に最近になって成立したものではないという主張もある。格差は一代限りのものであり、その固定化を意味するものではないという意見や、そもそも何をもって格差とするかについての意見など、格差社会を巡る認識は様々であり、現代の日本が格差社会になりつつあるかどうかについては識者の間でも認識の一致をみていない。

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雇用形態による格差
かつて正規雇用と終身雇用が当たり前のように思われていた時代に整備された日本の社会保障制度は、正社員(正規雇用者の俗称)を中心に設計されており、健康保険や年金といった分野でアルバイトやパートタイマー、派遣、契約社員などの非正規雇用者と等の待遇に大きな格差が出来ている。内閣府が実施した「家族とライフスタイルに関する研究会報告(平成13年)」では、女性の出産に伴う就業パターン変化による生涯賃金の推計を行っているが、正社員として継続就業している場合と、退職後パートタイマーとして再就職した場合で、賃金だけで2億円近い差が生まれるとしている。これに加え、表面的な賃金には含まれない年金や健康保険等でも差が生じることになる。

また、日本では新卒採用が一般的に行われているため、学校卒業後に一旦フリーターになると、その後に正社員に転ずることは困難なことが多い。そのため雇用形態による格差の固定化が問題視されており、「同一労働、同一賃金」等の原則を打ち立てることで、この格差を埋めようとする動きもある。

なお、健康保険や残業手当等については、労働法で雇用形態による差別をしてはいけないと定められている。しかし、現実には使用者や労働者の認識の乏しさから、差別ができている場合が多い。

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格差の再生産・固定化
収入の高い家庭ほど進学率が高いという調査結果がある。また、学歴により就職が優遇される傾向も依然として残っている。そのため、進学率が後の職業選択に直結し、就学機会の格差が収入の格差を生み、子弟の進学率に影響するという形で、事実上の格差の世襲、特に教育格差が起きる危険性が指摘されている。

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格差の是正
通貨の流通に関わるすべての情報(商取引から個人の所得まで、個人・法人を問わない預貯金口座の情報等)を開示することで、不当に安い賃金や高額な報酬、汚職などの不当な経済活動が明るみに出るため公正な富の分配が行われ、格差社会が是正されるという社会経済理論がある。 もっとも、パソコンやデータベースなど情報技術の発達やインターネットの普及があるとはいえ、情報セキュリティなどの問題もあり実現には課題が大きい。

また、直接税等による富の再分配を通して格差を是正すべきだという意見もある。しかし、行き過ぎた再分配が経済の活力を奪ってしまうことや、適切な再分配の仕組みを構築することが難しいことも指摘されており、相続税などは逆に税率を軽減する方向にある(平成15年度税率改定)。

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過去の格差社会
五色の賤(律令時代)
貴族(平安時代〜昭和初期)
士農工商(江戸時代
四民平等(明治時代に上記の格差を廃止した政策)
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日本以外の格差社会

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カースト(インド)
アパルトヘイト(南アフリカ共和国)
貴族、平民、奴隷(西欧諸国および米国)
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関連項目
ジニ係数
B層
階級社会、身分制度
社会保障
ワーキングプア
収入、最低賃金
国の所得格差順リスト
自民党
小泉純一郎
竹中平蔵